事業等のリスク

ソフトバンクグループ株式会社および子会社・関連会社(以下併せて「当社グループ」)は、国内外において多岐にわたる事業を展開しており、これら事業の遂行にはさまざまなリスクを伴います。2017年6月21日現在において、投資家の投資判断に重要な影響を及ぼす可能性がある主なリスクは、以下の通りです。これらのリスクが顕在化した場合、株式や社債をはじめとするソフトバンクグループ株式会社発行の有価証券につき、価格の下落などが生じる可能性があります。なお、これらは、当社グループが事業を遂行する上で発生しうるすべてのリスクを網羅しているものではありません。また、将来に関する事項につきましては別段の記載のない限り、2017年6月21日現在において判断したものです。

(1)経済情勢について

当社グループが提供するサービスや商品(例えば、通信サービスやインターネット広告を含みますが、これらに限りません。)に対する需要は、主に日本や米国、中国の経済情勢の影響を受けるため、景気の悪化のほか、日本における高齢化・人口減少といった人口統計上の変化に伴う経済構造の変化が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(2)為替の変動について

ソフトバンクグループ株式会社は連結財務諸表の作成にあたり、スプリントをはじめとする海外のグループ会社の現地通貨建ての収益および費用を四半期中の平均為替レートにより、また資産および負債を期末日の為替レートにより、日本円に換算しています。従って、為替相場の変動が当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

また、当社グループは、海外企業への投資を行っています。為替相場が投資時から大幅に変動しているときに外貨建て資産を売却した場合、為替差損が発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(3)経営陣について

当社グループの重要な経営陣、特にソフトバンクグループ株式会社代表取締役会長 兼 社長であり当社グループ代表である孫 正義に不測の事態が発生した場合、当社グループの事業展開に支障が生じる可能性があります。

(4)技術・ビジネスモデルへの対応について

当社グループは、技術やビジネスモデルの移り変わりが早い情報産業を主な事業領域としています。今後何らかの事由により、当社グループが時代の流れに適した優れた技術やビジネスモデルを創出または導入できない場合、当社グループのサービスが市場での競争力を失い、顧客の獲得・維持が困難になる可能性があります。その結果、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(5)他社との競合について

当社グループの競合他社(例えば、移動通信事業者や仮想移動通信事業者を含みますが、これらに限りません。)は、その資本力、技術開発力、価格競争力、顧客基盤、営業力、ブランド、知名度などにおいて、当社グループより優れている場合があります。競合他社がその優位性を現状以上に活用してサービスや商品の販売に取り組んだ場合、当社グループが販売競争で劣勢に立たされ、当社グループの期待通りにサービス・商品を提供できない、または顧客を獲得・維持できないことも考えられます。その結果として、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

また、当社グループが競合他社に先駆けて導入した、または高い優位性を有するサービス・商品に関して、競合他社がこれらと同等もしくはより優れたものを導入した場合、当社グループの優位性が低下し、事業展開や業績に影響を及ぼす可能性があります。

(6)通信ネットワークの増強について

当社グループは、通信サービスの品質を維持・向上させるために、将来のトラフィック(通信量)を予測し、その予測に基づいて継続的に通信ネットワークを増強していく必要があります。これらの増強は計画的に行っていきますが、実際のトラフィックが予測を大幅に上回った場合、または通信ネットワークの増強(例えば、必要な周波数の確保を含みますが、これに限りません。)を行えなかった場合、サービスの品質の低下を招き顧客の獲得・維持に影響を及ぼすほか、追加の設備投資が必要となり、その結果、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(7)他社経営資源への依存について

a. 他社設備などの利用

当社グループは、通信サービスの提供に必要な通信ネットワークを構築する上で、他の事業者が保有する通信回線設備などを一部利用しています。今後何らかの事由により、当該設備などを継続して利用することができなくなった場合、または使用料や接続料などが引き上げられた場合、当社グループの事業展開や業績に影響を及ぼす可能性があります。

b. 各種機器の調達

当社グループは、通信機器やネットワーク関連機器など(例えば、携帯端末や携帯電話基地局の無線機を含みますが、これらに限りません。)を他社から調達しています。特定の会社への依存度が高い機器の調達において、供給停止、納入遅延、数量不足、不具合などの問題が発生し調達先や機器の切り替えが適時にできない場合、または性能維持のために必要な保守・点検が打ち切られた場合、当社グループのサービスの提供に支障を来し、顧客の獲得・維持が困難になる可能性や調達先の変更のために追加のコストが生じる可能性のほか、通信機器の売上が減少する可能性があります。その結果、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

c. 業務の委託

当社グループは、主に通信サービスに係る販売、顧客の獲得・維持、それらに付随する業務の全部または一部について、他社に委託しています。何らかの事由により委託先が当社グループの期待通りに業務を行うことができない場合、当社グループの事業展開に影響を及ぼす可能性があります。

また、業務委託先は当社グループのサービス・商品を取り扱っていることから、当該業務委託先の信頼性やイメージが低下した場合には、当社グループの信頼性や企業イメージも低下し、事業展開や顧客の獲得・維持に影響を及ぼす可能性があり、その結果、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。このほか、当該業務委託先において法令などに違反する行為があった場合、当社グループが監督官庁から警告・指導を受けるなど監督責任を追及される可能性があるほか、当社グループの信頼性や企業イメージが低下し顧客の獲得・維持が困難になる可能性があります。その結果、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

d. 業務提携・合弁事業

当社グループは、他社との業務提携や合弁会社設立などを通じて、国内外で事業展開を行っています。こうした業務提携先や合弁先が事業戦略を大幅に変更したり、その経営成績や財政状態が大幅に悪化した場合、業務提携や合弁事業などが期待通りの成果を生まない可能性や、継続が困難となる可能性があります。また、特定の第三者との業務提携や合弁事業などを実施したことにより、他の者との業務提携や合弁事業などが制約される可能性もあります。その結果、当社グループの事業展開や業績に影響を及ぼす可能性があります。

e. 「Yahoo!」ブランドの使用

当社グループは、日本国内において、「Yahoo! JAPAN」をはじめ「Y!mobile」や「Yahoo!ケータイ」、「Yahoo! BB」など、サービス名称の一部に米国のVerizon Communications Inc. が保有する「Yahoo!」ブランドを使用しています。同社との関係に大きな変化が生じるなどしてこれらのブランドが使用できなくなった場合、当社グループの期待通りに事業を展開できなくなる可能性があります。

[注]
  • 2017年6月のVerizon Communications Inc.によるYahoo! Inc.のインターネット事業の買収に伴い、「Yahoo!」ブランドはVerizon Communications Inc.に譲渡されました。

(8)自然エネルギー事業について

自然エネルギー事業については、太陽光や風力などの気象条件によっては発電量が想定を下回る可能性があります。また、自然災害などにより、発電設備や電力会社の送電線との接続設備に損傷などの不具合が生じた場合、発電量や売電量が大幅に低下する可能性があります。これらの結果、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(9)情報の流出などについて

当社グループは、事業を展開する上で、顧客情報(個人情報を含みます。)やその他の機密情報を取り扱っています。当社グループ(役職員や委託先の関係者を含みます。)の故意・過失、または悪意を持った第三者のサイバー攻撃などにより、これらの情報の流出や消失などが発生する可能性があります。こうした事態が生じた場合、当社グループの信頼性や企業イメージが低下し顧客の獲得・維持が困難になるほか、競争力が低下したり、損害賠償やセキュリティシステム改修のために多額の費用負担が発生したりする可能性があります。その結果、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(10)人為的なミスなどによるサービスの中断・品質低下について

当社グループが提供する通信をはじめとする各種サービスにおいて、人為的なミスや設備・システム上の問題などが発生した場合、これに起因して各種サービスを継続的に提供できなくなること、または各種サービスの品質が低下することなどの重大なトラブルが発生する可能性があります。サービスの中断・品質低下による影響が広範囲にわたり、復旧に相当時間を要した場合、信頼性や企業イメージが低下し、顧客の獲得・維持が困難になる可能性があります。その結果、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(11)自然災害など予測困難な事情について

当社グループは、インターネットや通信などの各種サービスの提供に必要な通信ネットワークや情報システムなどを構築・整備しています。地震・台風・ハリケーン・洪水・津波・竜巻・豪雨・大雪・火山活動などの自然災害、火災や停電・電力不足、テロ行為、サイバー攻撃、不正アクセス、コンピューターウイルス感染などにより、通信ネットワークや情報システムなどが正常に稼働しなくなった場合、当社グループの各種サービスの提供に支障を来す可能性があります。これらの影響が広範囲にわたり、復旧に相当時間を要した場合、信頼性や企業イメージが低下し、顧客の獲得・維持が困難になる可能性があります。また、通信ネットワークや情報システムなどを復旧・改修するために多額の費用負担が発生する可能性があります。その結果、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

日本国内においては、当社グループ各社の本社を含む拠点は、首都圏に集中しています。大規模な地震など不可避の事態が首都圏で発生し、これらの拠点が機能不全に陥った場合、当社グループの事業の継続が困難になる可能性があります。

(12)資金調達およびリースについて

当社グループは、金融機関からの借り入れや社債の発行などにより事業展開に必要な資金を調達しているほか、リースを活用して設備投資を行っています。金利が上昇した場合、またはソフトバンクグループ株式会社および子会社の信用格付けが引き下げられるなど信用力が低下した場合、これらの調達コストが増加し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、金融市場の環境やソフトバンクグループ株式会社および子会社の信用力によっては、資金調達やリース組成が予定通り行えず、当社グループの事業展開、業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、調達した資金(ソフトバンクグループ株式会社へ返済義務が遡及しない負債を除く)の返済原資を捻出するために一部資産の売却などを行う可能性があります。その結果、当社グループの業績や事業展開に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループの金融機関からの借り入れや社債などには各種コベナンツが付されているものがあります。いずれかのコベナンツに抵触する可能性が発生し、抵触を回避するための手段を取ることができない場合、当該債務について期限の利益を喪失する可能性があるほか、それに伴い、その他の債務についても一括返済を求められる可能性があります。その結果、当社グループの財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(13)投資活動について

当社グループは、新規事業の立ち上げ、既存の事業の拡大などを目的として、企業買収、合弁会社・子会社の設立、事業会社・持ち株会社(各種契約によって別会社を実質的に支配する会社を含みます。)・ファンドへの出資などの投資活動を行っています。例えば、ソフトバンクグループ株式会社は、2016年9月に英国のアームを買収しています(同社の事業に関する主なリスクは「 (24)アームについて 」をご参照ください)。また、ソフトバンクグループ株式会社はその海外子会社がジェネラル・パートナーとして運営を行っている「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」に対し、リミテッド・パートナーとして出資を行っています(同ファンドへの投資に関する主なリスクは「 (14)「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」について 」をご参照ください)。

これらの投資活動に伴い当該投資先が連結対象に加わった場合、マイナスの影響が発生するなど、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループが投資時点においてその想定した通りに投資先が事業を展開できない場合、投資活動に伴い発生したのれん、有形固定資産、無形資産、株式などの金融資産の減損損失が発生するなど、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。このほか、ソフトバンクグループ株式会社の個別決算では、これらの投資活動に伴って取得した出資持分などを含む資産の価値が下落した場合、評価損が発生し、業績や分配可能額に影響を及ぼす可能性があります。

例えば、当社は、2017年3月期の連結決算において、インドでイーコマースサイト「snapdeal.com」を運営するJasper Infotech Private Limitedや、同じくインドでタクシー配車プラットフォーム「Ola」を運営するANI Technologies Private Limitedの優先株式などのFVTPL(Fair Value Through Profit or Loss)の金融商品から生じる損失160,419百万円を計上しました。また、ソフトバンクグループ株式会社は、2017年3月期の個別決算において、STARFISH Ⅰ PTE LTD(Jasper Infotech Private Limitedの優先株式を保有する中間持ち株会社)などの関係会社の株式について減損処理を行い、関係会社株式評価損114,059百万円を特別損失に計上しました。

このほか、投資先が内部統制上の問題を抱えていたり、法令に違反する行為を行っていたりする可能性があります。投資後にそうした問題や行為を早期に是正できない場合、当社グループの信頼性や企業イメージが低下したり、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼしたりする可能性があります。

新規事業の立ち上げなどにおいて人材などの経営資源を十分に確保できない場合や、投資先および既存事業に対して十分な経営資源を充てることができない場合には、当社グループの業績や事業展開に影響を及ぼす可能性があります。

(14)「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」について

「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」(以下「SVF」)は海外において設立され、2017年5月から活動を開始しました。SVFは、その投資戦略に合致する限りにおいて、上場・非上場や株式保有割合の多寡を問わず、新興テクノロジー企業から、成長のために大規模な資金を必要とする数十億米ドル規模の企業価値の大企業まで、広い範囲のテクノロジー分野で投資を行う予定です。1億米ドル以上で、かつ、SVFの投資戦略に合致する投資については、原則としてSVFまたは関連ビークルが実行し、それ以外の投資(1億米ドルの基準に満たない投資や事業会社レベルでの戦略投資、SVFの投資戦略や基準に合致しないその他の投資を含みますが、これらに限りません。)は、当社が行います。ソフトバンクグループ株式会社の海外子会社がジェネラル・パートナー(以下「GP」)としてSVFの運営を行い、GPは、ソフトバンクグループ株式会社の別の英国子会社(以下「英国子会社」)が英国の金融行為規制機構(Financial Conduct Authority)に登録された後は、同社から助言を受けることとなります。SVFの投資決定は英国子会社に設置される予定の投資委員会により行われます。また、ソフトバンクグループ株式会社は、リミテッド・パートナーとしてSVFに出資を行っています。SVFへの出資コミットメント額は、ソフトバンクグループ株式会社の280億米ドル(うち約82億米ドルは、Arm Holdings plcまたは同社の事業子会社の株式による現物出資)を含む、932億米ドル(2017年5月20日時点)であり、同日から6カ月以内に最終クロージングが見込まれます。

SVFがその投資から期待通りのリターンを得られない場合、ソフトバンクグループ株式会社の海外子会社は、SVFの運用成績が一定以上なら支払われる成功報酬を十分に得られず、また、ソフトバンクグループ株式会社は、リミテッド・パートナーとしてSVFへの出資から期待通りのリターンを得られない可能性があります。

SVFはソフトバンクグループ株式会社の連結対象であり、SVFの業績および資産・負債はソフトバンクグループ株式会社の連結財務諸表に取り込まれます。ソフトバンクグループ株式会社がIFRS上の支配をしていると見なされるSVFの投資先は、ソフトバンクグループ株式会社の子会社として取り扱われ、当該投資先の業績および資産・負債もソフトバンクグループ株式会社の連結財務諸表に取り込まれるため、当社グループの業績や財政状態にマイナスの影響を及ぼす可能性があります。SVFからの投資先がソフトバンクグループ株式会社の連結財務諸表上の子会社とならない場合には、原則として毎四半期末に公正価値で測定し、その変動額は純損益で認識されます。これらの投資の公正価値が下落した場合、当社グループの業績や財政状態にマイナスの影響を及ぼす可能性があります。

このほか、ソフトバンクグループ株式会社の個別決算では、SVFが取得した出資持分の価値の下落に伴ってSVFの価値が下落した場合、SVFに係る評価損が発生し、業績や分配可能額に影響を及ぼす可能性があります。

(15)子会社などに対する支援について

当社グループは、必要と判断した場合、子会社などに対し融資や債務保証などの支援を行うことがあります。例えば、スプリントおよびブライトスターについては、当社グループが買収した時点で想定した通りに事業を展開できない、他の子会社などとの間で十分なシナジー(相乗効果)を創出できない、または事業展開のために想定以上の資金が必要となった場合、融資などの支援を行う可能性があります。支援した子会社などが当社グループの期待通りに事業を展開できない場合、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(16)カントリーリスクについて

当社グループは、米国、中国、インド、欧州・中南米諸国などの海外の国・地域で事業や投資を行っています。これらの国・地域で日本とは異なる法令や各種規制の制定もしくは改正がなされた場合、または従前行われてきた行政の運用に変化・変更があった場合、当社グループの事業活動が期待通りに展開できない、または投資の回収が遅延する、もしくは不可能となるなど、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、このような法令・各種規制の制定および改正や行政の運用の変化・変更によって、当社グループが新規に行おうとする事業や投資が制限される、または期待通りに戦略を実行できない可能性があります。

このほか、これらの国や地域において、戦争・紛争・テロ行為の勃発や、経済制裁の発動、伝染病の流行などにより、政治・社会・経済的な混乱が生じた場合、当社グループの事業活動が期待通りに展開できない、または投資の回収が遅延する、もしくは不可能となる可能性があります。

(17)法令・規制・制度などについて

当社グループは、各国の様々な分野にわたる法令・規制・制度などの下で事業および投資を行っており、その影響を直接または間接的に受けます。具体的には、通信事業に関する各種法令・規制・制度など(例えば、日本の電気通信事業法や電波法および米国のこれらに相当する法令を含みますが、これらに限りません。)から、インターネット広告、イーコマース、エネルギー、ロボット、金融・決済などの事業やその他の企業活動に関する各種法令・規制・制度など(環境、製造物責任、公正な競争、消費者保護、プライバシー保護、贈賄禁止、労務、知的財産権、マネー・ロンダリング防止、租税、為替、事業・投資許認可、輸出入に関するものを含みますが、これらに限りません。)まで広範に及びます。

当社グループ(役職員を含みます。)がこれらの法令・規制・制度などに違反する行為を行った場合、違反の意図の有無にかかわらず、行政機関から行政処分や行政指導(登録・免許の取消や罰金を含みますが、これらに限りません。)を受けたり、取引先から取引契約を解除されたりする可能性があります。その結果、当社グループの信頼性や企業イメージが低下したり、事業展開に支障が生じたりする可能性があるほか、金銭的負担の発生により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、これらの法令・規制・制度などの改正もしくは新たな法令・規制・制度などの施行または法令・規制・制度などの解釈・適用(その変更を含みます。)により、事業展開に支障が生じたりする可能性があるほか、金銭的負担の発生・増加により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(18)会計制度・税制の変更などについて

会計基準や税制が新たに導入・変更された場合や、税務当局との見解の相違により追加の税負担が生じた場合、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(19)米国の国家安全保障を確保するための方策について

ソフトバンクグループ株式会社、Sprint CorporationおよびSprint Communications, Inc.(本(19)において「両スプリント」)は、米国国防総省(DoD)、米国国土安全保障省(DHS)および米国司法省(DOJ)との間で国家安全保障契約を締結しています。この国家安全保障契約に基づき、ソフトバンクグループ株式会社と両スプリントは、米国の国家安全保障を確保するための方策を実行することに合意しています。これら方策の実行に伴いコストが増加する、または米国内の施設、契約、人事、調達先の選定、事業運営に制約を受ける可能性があります。その結果、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(20)電波の健康への影響に関する規制について

携帯端末および携帯電話基地局が発する電波は、がんの発症率を高めるなどの健康上の悪影響を引き起こす可能性があるとの研究結果が一部で出ています。その電波の強さについては、国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)がガイドラインを定めています。世界保健機関(WHO)は、ICNIRPのガイドラインの基準値を超えない強さの電波であれば健康上の悪影響を引き起こすという説得力のある証拠はないとの見解を示しており、本ガイドラインの採用を各国に推奨しています。

当社グループは、日本においてはICNIRPのガイドラインに基づく電波防護指針に、米国においては連邦通信委員会(FCC)が定める要件に従っています。ただし、引き続きWHOなどで研究や調査が行われており、その調査結果によっては、将来、規制が変更されたり、新たな規制が導入されたりする可能性があり、かかる変更や導入に対応するためのコストの発生や当社グループの事業運営に対する制約などにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

また、こうした規制の有無にかかわらず、携帯端末の利用に伴う健康への悪影響に関する懸念は、当社グループの顧客の獲得・維持を困難にする可能性があり、その結果、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(21)知的財産権について

当社グループが意図せずに第三者の知的財産権を侵害した場合、権利侵害の差止めや損害賠償、ライセンス使用料の請求を受ける可能性があります。その結果、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

また、当社グループが保有している「ソフトバンク」ブランドおよび「スプリント」ブランドなどの知的財産権が第三者により侵害され、当社グループの信頼性や企業イメージが低下する可能性があります。

(22)訴訟について

当社グループは、顧客、取引先、株主(子会社・関連会社・投資先の株主を含みます。)、従業員を含む第三者の権利・利益を侵害したとして、損害賠償などの訴訟を起こされる可能性があります。その結果、当社グループの事業展開に支障が生じたり、企業イメージが低下したりする可能性があるほか、金銭的負担の発生により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(23)行政処分などについて

当社グループは、行政機関から行政処分や行政指導を受ける可能性があります。こうした処分や指導を受けた場合、当社グループの事業展開に支障が生じる可能性があるほか、金銭的負担の発生により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(24)アームについて

ソフトバンクグループ株式会社は、2016年9月5日英国のアームの発行済株式および発行予定株式全部を総額約240億ポンド(約3.3兆円)の現金で買い付けました。

なお、当社が認識しているアームの事業に関する主なリスクは、以下の通りです。

a. 半導体業界における変革により、成長性や知的財産(以下「IP」)の価値が低下する可能性

アームは、競争環境が厳しく、動きが速い半導体業界で事業活動を行っています。同業界では多くの企業が十分なリソースを保有しており、これらの企業がプロセッサーやフィジカルIPを魅力的な市場とみなし、新規に参入してくる可能性があります。
また、新興企業やオープンソース技術に対する取り組みにより、各企業がチップ設計を内製できる代替手段が開発される可能性があります。さまざまなエンドマーケットにおいてソフトウエアの開発費用は増加しており、アームの現在の製品ラインアップや一連の技能(スキルセット)に適さない新たな技術が現れる可能性もあります。
アームが以上のような変化に適切に対応できなかった場合、マーケットシェアの低下を招く可能性があります。

b. 競合企業の製品や技術によりマーケットシェアが低下する可能性

アームは、大規模な半導体企業と比較的小規模な半導体IP企業(半導体IPの開発およびライセンス供与を行う企業)の双方との競争にさらされています。
Intel Corporationは、パソコンおよびサーバー向けにx86ベースプロセッサーを開発しており、かかるチップのエンタープライズ・エレクトロニクス、およびネットワーク・インフラやIoT(モノのインターネット)を含む組み込み市場への展開を目指しています。また、特に参入障壁が低いIoT市場などの成長市場では、多くの小規模な半導体IP企業がアームと競合しています。
競合企業による成功は、アームの収入の減少を招く可能性があります。

c. 新たな進出地域における事業運営において困難に直面する可能性

中国の半導体企業は、アームの売上高においてますます大きな割合を占めるようになっており、アームは、その割合は引き続き増加するものと見込んでいます。アームは、中国市場に適した組織体制やプロセスの構築のため、引き続き中国における組織を強化するとともに、人材やインフラへの投資を行っていきます。さらに、アームは、同社が既に進出した市場とは異なる政治的および規制上の文化があるロシア、南アメリカおよびアフリカの各市場については知見および経験をほとんど有していません。これらの地域において、各政府は地場のテクノロジー企業に対して支援および資金供給を行っており、その結果、競合企業や市場が新たに生まれる可能性があります。

d. 将来、アームの技術が顧客からの要求に対応できなくなる可能性

テクノロジー業界は、急激な変化を生じるという特徴があります。新たな技術革新により、チップの設計および製造手法、OEM企業によるこれらチップの利用方法、および消費者の利用方法が継続的に改善されています。テクノロジー業界に生じる変化によっては、アームやアームのビジネスモデルにとって有利でない可能性があり、これによってアームは投資方針を変更することまたはマーケットシェア低下のリスクを負うことを余儀なくされる可能性があります。このような市場環境の変化により、アームの収益性が低下する可能性があります。

e. 顧客基盤における過度の集中がアームの成長志向に対するリスクとなる可能性

テクノロジー動向の変化や経済状況により半導体業界における合併等がさらに進む可能性があり、その結果、アームがその技術を販売する企業の数が減少したり、さらに少数の企業への依存度が高まったりする可能性があります。主要顧客の製品計画の変更は、アームが開発する技術に影響を及ぼす可能性があり、これによってアームに追加費用や売上計上の後ろ倒しが生じる可能性があります。

f. アームの人材、業務プロセスやインフラが、同社の成長志向に応じて適切に拡大できない可能性

アームは、顧客ニーズに応える次世代のプロセッサー開発および技術開発のため、より多くのエンジニアを雇用し、過去数年で急速に従業員数を増やしています。従業員数の増加率がこのまま続く場合、現在の組織構造、企業文化、およびインフラは、さらに多数の従業員を擁する環境に適合しなくなる可能性があります。

g. ブランドおよびレピュテーションが著しく毀損する可能性

アームの技術は、数十億の個人および法人向け製品に利用されており、利用者である個人や法人はこれらの製品の多くに依存し、莫大な量の個人情報、非開示情報、または財産的な価値のある情報を蓄積、管理または伝送するために利用されています。アームのある一製品に関連する障害または不具合は、アームの企業としてのレピュテーションを損ない、同社のブランド価値の喪失を招く可能性があります。アームの技術はますます複雑になりつつあり、これにより障害または不具合が発生する確率が高くなる可能性があります。

h. 第三者による知的所有権の侵害の訴えに対し、法的手続きの当事者になる可能性

アームは、同社製品のインテグリティーの確立と維持に対して多大な注意を払っていますが、他社の知的所有権を侵害しているとの訴えから、同社のIPを保護し、同社の技術を守る必要が生じる可能性があります。時折、第三者がアームの技術に対して、特許権、著作権、およびその他知的財産権を主張することがあります。アームや、同社の技術の使用権取得者(以下「ライセンシー」)に対してなされる主張により、相当な金額の費用が発生する可能性があり、また、ライセンシーに対しライセンス契約に基づく補償義務がアームに発生する可能性もあります。

i. アームやその顧客がアームの技術を利用するデベロッパーのエコシステムへの投資に失敗する可能性

アームのプロセッサーは、独立したソフトウエアベンダー(Independent Software Vendors、以下「ISV」)または企業の共同コンソーシアムが開発したソフトウエアに多く利用されています。このようなコンソーシアムやISVから成る「エコシステム」は、最終製品市場ごとに形成されています。アームの技術を利用するエコシステムの維持には、アームまたはアームの顧客企業に所属するエンジニアによるサポートや、直接的な金銭的な投資が必要とされます。これらが不十分である場合、エコシステムにおいて他社の技術が支持され、その結果、機器製造メーカーがアームの技術に基づく半導体チップを採用しない可能性があります。これにより、アームの収入の減少を招く可能性があります。

[注]
  • 本ページにおいて、文脈上別異に解される場合または別段の記載がある場合を除き、以下の社名または略称は以下の意味を有します。

    • ソフトバンクグループ(株):ソフトバンクグループ(株)(単体)
    • 当社:ソフトバンクグループ(株)および子会社

    以下の略称の意味は、それぞれの会社の傘下に子会社がある場合、それらを含みます。

    • スプリント:Sprint Corporation
    • ブライトスター:Brightstar Global Group Inc.
    • アーム:Arm Holdings plc
    • アリババ:Alibaba Group Holding Limited